秋吉台の山焼き

山口県美祢市にある秋吉台は、日本最大のカルスト台地。毎年2月に行われる「山焼き」は、炎が草原を駆け巡る、迫力満点の春の風物詩です。

でも、なぜ広大な草原に火をつけるのでしょうか?それは、秋吉台の貴重な自然を守るため。山焼きには、様々な効果があるんです。

山焼きの目的

  1. 草原の維持:秋吉台は、石灰岩でできた大地に、草原が広がる独特の景観が魅力です。しかし、放っておくと木が生えてきて、草原が森に変わってしまいます。山焼きをすることで、木々の芽生えを抑え、草原を維持し、美しい景観を守ることができるのです。
  2. 貴重な植物の保護:山焼きによって、地面に光が差し込み、草花が育ちやすくなります。秋吉台には、ここでしか見られない貴重な植物がたくさん!山焼きは、これらの植物の生育環境を守るのにも役立っています。特に、春に咲く山野草は、山焼きによってより美しく咲き誇ります。
  3. 生物多様性の保全:秋吉台には、様々な野生動物が生息しています。山焼きは、彼らにとっても大切な役割を果たしています。例えば、山焼きで草が短くなると、ノウサギなどの小動物が見つかりやすくなり、タカなどの猛禽類が狩りをしやすくなります。また、山焼きは、昆虫や爬虫類など、様々な生き物の生息環境を維持するのにも役立っています。
  4. 火災予防:山焼きは、枯れ草を燃やすことで、大規模な山火事を防ぐ効果もあります。乾燥した冬の時期に、意図的に火を入れることで、燃えやすい枯れ草を除去し、山火事の発生を抑制しています。

山焼きの歴史

秋吉台の山焼きは、江戸時代から400年以上続く伝統行事です。

その起源は、正確には分かっていませんが、いくつかの説があります。

  • 茅刈り説: 茅葺き屋根の材料となる茅を刈り取るために、山焼きを行っていたという説。
  • 放牧説: 家畜を放牧するために、山焼きを行って牧草地を確保していたという説。
  • 焼畑農業説: 焼畑農業を行うために、山焼きを行っていたという説。

いずれにしても、 江戸時代の秋吉台 では、 人々の生活と密接に関わって山焼きが行われていたと考えられます。

明治時代に入ると、茅葺き屋根が減少し、山焼きは一時中断されました。しかし、 1955年に秋吉台が 国定公園に指定されたことをきっかけに、景観維持や自然保護のため、山焼きが復活しました。

現在では、毎年2月に、地元住民やボランティアなど、多くの人々が参加して、山焼きが行われています。

山焼きの見学

山焼きは、毎年2月の第4日曜日に行われます。午前中に火入れが行われ、午後には鎮火されます。

山焼きの様子は、秋吉台の展望台や周辺道路から見学することができます。迫力満点の炎のショーを間近で見ることができます。

見学には、美祢市のホームページで事前予約が必要です。

よくある質問

Q. 山焼きの時期はいつですか?

A. 毎年2月の第4日曜日に行われます。

Q. 山焼きを見るのに、おすすめの場所はありますか?

A. 秋吉台カルスト展望台や、長者ヶ森駐車場がおすすめです。

Q. 山焼きの日は、交通規制はありますか?

A. はい、山焼きの日は、周辺道路で交通規制が行われます。

Q. 山焼きに参加することはできますか?

A. 一般の方の参加はできません。

秋吉台 基本情報

項目情報
名称秋吉台
住所〒754-0511 山口県美祢市秋芳町秋吉
電話番号0837-62-0115 (秋吉台観光交流センター)
アクセス[電車] JR美祢線「秋芳洞駅」下車、バスで約10分
[車] 中国自動車道「美祢IC」から約20分
駐車場あり
山焼き見学要予約

まとめ

秋吉台の山焼きは、ただ草原を燃やすイベントではありません。3億年以上の歴史を持つ、貴重な自然を守るための、伝統的な知恵なのです。炎のショーは、迫力満点!ぜひ、一度は見てみたいものです。