結論から言うと、Slackのデータエクスポートは、ワークスペースの管理者(オーナー)がPCブラウザの設定画面から数クリックで実行できます。ただし、出力されるのは「JSON形式」のテキストデータであり、ファイルの実体ではなく「ファイルへのリンク」が書き出されるという点に注意が必要です。
本記事では、プランごとに異なるエクスポートの制限と、具体的なバックアップ手順を解説します。
エクスポートできるデータの範囲(プラン別の決定的な違い)
マネージャー層やシステム管理者が監査やバックアップ目的でデータを抽出する際、契約しているプランによって「どこまでエクスポートできるか」が大きく異なります。
- フリー(無料)およびプロプラン: 原則として**「パブリックチャンネル」のデータのみ**エクスポート可能です。プライベートチャンネルやダイレクトメッセージ(DM)の履歴は標準では抽出できません。(※フリープランの場合、ファイルのリンク抽出は過去90日分のみに制限されます)
- ビジネスプラス以上のプラン: パブリックチャンネルに加え、「プライベートチャンネル」と「全員のダイレクトメッセージ(DM)」を含むすべてのデータをエクスポートする設定が可能です。退職者のやり取り確認や、情報漏洩の監査にはこのプランが必須となります。
【インサイト】プラン別エクスポート範囲マトリックス
| プラン | 抽出できる会話の範囲 | ファイルの扱い | 対象となるペルソナと用途 |
| フリー | パブリックチャンネルのみ | 過去90日間のリンクのみ | 最低限のテキスト保存 |
| プロ | パブリックチャンネルのみ | 全期間のリンク | 公開プロジェクトの記録・ナレッジ移行 |
| ビジネスプラス | 全チャンネル+全DM | 全期間のリンク | 監査・コンプライアンス対応(マネージャー向け) |
専門家の視点
「Slackのエクスポート機能で最も誤解されやすいのが『アップロードした画像やPDFファイルも一緒に丸ごとダウンロードできる』という勘違いです。エクスポートされるZIPファイルの中身は、テキスト(JSON)とファイルへのURLリンクだけです。Slackを完全に解約する目的でファイルを救出したい場合は、出力されたURL一覧から別途ファイル本体をダウンロードする仕組み(スクリプト等)を用意する必要があります。」
Slackのデータをエクスポートする4つの手順
ワークスペースの「オーナー」または「管理者」権限を持つユーザーが、PCのブラウザから実行する手順です。
- 管理者メニューを開く: PCブラウザからSlackを開き、画面左上のワークスペース名をクリックして「ツールと設定」>「ワークスペースの設定」を選択します。
- インポート/エクスポート設定へ移動: ブラウザで設定画面が開いたら、左側のメニュー(または「セキュリティ」項目内)から「データのインポート / エクスポート」を選択します。
- エクスポートを実行する: 画面上部の「エクスポート」タブを開きます。「日付範囲」のドロップダウンメニューから抽出したい期間(直近30日、全期間など)を選択し、「エクスポート開始」をクリックします。
- ZIPファイルをダウンロード: データの抽出には数分〜数時間かかります。準備が完了するとSlackから通知メールが届きます。メール内のリンク、またはエクスポート画面からZIPファイルをダウンロードしてバックアップ完了です。
よくある質問(FAQ)
Q. 削除してしまったメッセージもエクスポートで復元できますか?
いいえ、復元できません。ユーザーがSlack上で手動で削除したメッセージやファイルはサーバー上からも完全に消去されているため、後からエクスポート機能を使っても抽出データには含まれません。
Q. エクスポートしたデータはエクセルやPDFでそのまま読めますか?
そのままでは読めません。エクスポートされるデータは「JSON(ジェイソン)形式」というプログラム向けのデータファイルです。人間が読みやすい形(Excelの表組みなど)で閲覧するには、JSONをCSVに変換するWebツールや、サードパーティ製のSlackログ解析ソフトを利用する必要があります。
Q. 一般メンバーでも自分のデータだけエクスポートできますか?
できません。エクスポートを実行できるのは、ワークスペースの管理者権限を持つユーザーのみです。一般のメンバーが自分のアカウントのメッセージ履歴だけを個別にエクスポート(バックアップ)する機能は、標準では備わっていません。