山口県光市に夏の訪れを告げる伝統行事「周防柱松」。夜空を焦がす巨大な柱松の炎は、見る者を圧倒する迫力です。市内では、地区ごとに異なる形式で行われ、それぞれに歴史と特色があります。
周防柱松の歴史
その起源は、室町時代中期にまで遡ると言われています。
当時、疫病が流行し、人々は大変苦しんでいました。そこで、疫病退散を祈願して、柱松を燃やしたのが始まりとされています。
その後、五穀豊穣や家内安全を願う行事として、地域に根付いていきました。
1. 周防祖生の柱松(すおうそおののはしらまつ) – 重要無形民俗文化財
国の重要無形民俗文化財に指定されている、伝統的な火祭りです。祖生地区の中村・落合・山田の三地区で、それぞれ異なる日に開催されます。
特徴
- 柱松の構造: 高さ20メートルにもなる杉の丸太を胴木(どうぎ)とし、その先端に「鉢(はち)」と呼ばれるハギの小枝とキリの葉で編んだ笠を付けます。さらに、その上に御幣(ごへい)と呼ばれる長旗を立てます。
- 点火: 神事の後、地区の男衆が「ソイヤ、ソイヤ」の掛け声とともに、松明(たいまつ)を鉢めがけて投げ上げ、点火します。
- 年占い: 柱松の燃え方でその年の豊凶を占う、年占いの意味合いも持ちます。
開催情報
地区 | 開催日 | 時間 | 場所 | アクセス |
---|---|---|---|---|
中村 | 8月15日 | 20:00~ | 中村八幡宮境内 | JR光駅からバスで「中村」下車 |
山田 | 8月19日 | 20:00~ | 山田天満宮境内 | JR光駅からバスで「山田」下車 |
落合 | 8月23日 | 20:00~ | 落合熊野神社境内 | JR光駅からバスで「落合」下車 |
2. ふるさとの火まつり周防柱松 – 幻想的な光の祭典
立野西庄の旭橋周辺で行われる、江戸時代から続く伝統的な火祭りです。
特徴
- 柱松の構造: 高さ15メートルの竹製の籠に、萩の葉や花火などを詰め込みます。
- 点火: 下から松明を投げ入れて点火し、燃え上がる様子は幻想的です。
- 花火: 全ての柱松に点火されると、花火が打ち上げられます。
開催情報
- 開催時期:例年8月上旬
- 時間: 17:30~21:00
- 場所:立野西庄 旭橋周辺
- アクセス: * 山陽自動車道「熊毛IC」より車で約7分 * JR島田駅から徒歩25分
- 内容: * 17:30~ オープニングイベント、ステージイベント * 20:00~ 柱松点火 * 20:30~ 花火大会
周防柱松を楽しむポイント
- 迫力満点の炎上シーン: 巨大な柱松が燃え上がる様子は、圧巻です。
- 伝統的な雰囲気: 地域の伝統を受け継ぐ、貴重な文化に触れることができます。
- 夜店やイベント: 祭りでは、夜店や様々なイベントも開催されます。
周防柱松を見る際の注意点
- 火の粉に注意: 火を使う祭りなので、火の粉などに十分注意してください。
- 安全な場所を確保: 会場係員の指示に従い、安全な場所で観覧しましょう。
- 開催情報は事前に確認: 開催日時や場所は変更になる場合があります。
まとめ
周防柱松は、夏の夜空を彩る、光市の伝統的な火祭りです。勇壮な炎と、地域の熱気を感じることができるでしょう。ぜひ一度、足を運んでみてください。