秋吉台の山焼きとは、日本最大級のカルスト台地である秋吉台で毎年2月下旬に行われる伝統的な火入れ作業です。この作業は、秋吉台の自然と景観を保全するために重要な役割を果たしています。今回は、秋吉台の山焼きの見所や理由、おすすめの時間帯や観覧方法などをご紹介します。
秋吉台の山焼きの見所
秋吉台の山焼きは、約1,138ヘクタールもの広大な草原に火が放たれる壮大な光景です。火入れが始まると、バチバチという音とともに炎が走り、煙が空に立ち上ります。炎は高さ5メートル以上に達し、風向きや天候によって様々な形を描きます。太陽が沈む頃には、赤く染まった空と炎が美しいコントラストを作り出します。火入れが終わると、黒く焦げた草原が一面に広がりますが、これもまた異世界的な風景です。その後、春から初夏にかけて新芽が芽吹き、青々とした草原へと生まれ変わります。
秋吉台の山焼きの理由
秋吉台の山焼きは、単なる風物詩ではありません。実は、この作業は秋吉台の自然環境を守るために必要不可欠なものなのです。秋吉台はカルスト地形であり、白い石灰岩が露出した地表に多孔質で水分を含む土壌が薄く被さっています。この土壌は乾燥しやすく火災に弱いため、放置すると森林化してしまいます。森林化するとカルスト地形特有の景観や生態系が失われてしまうだけでなく、倒木や落葉等によって石灰岩が劣化してしまう危険性もあります。そこで、人工的に火入れを行うことで草原を維持し、森林化を防止し、貴重な植物や昆虫等の生息環境を保全することを目的としています。
秋吉台の山焼きのおすすめ時間帯
秋吉台の山焼きは午前9時30分から始まりますが、その前から多くの人々が展望台付近に集まっています。展望台から見下ろすように草原全体を眺めることができますが、距離感や高低差もあって迫力は少し減ります。より近くで見たい場合は、「Karstar」(旧・科学博物館)付近から歩いて行ける「第二展望所」や「第三展望所」、「第四展望所」、「第五展望所」等へ向かうことをおすすめします。
開催日 | 毎年2月下旬 |
時間 | 9:30(火入れ)~13:00頃 |
開催場所 | 秋吉台国定公園 |
お問い合わせ | 秋吉台山焼き対策協議会事務局 美祢市農林課林務係 TEL:0837-52-1115 |